Classiques japonais avec furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Lisez 海上の道 (かいじょうのみち) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 182 344 caractères · 353 écrans
民間新嘗の残留
久しく中絶に帰したと言われる神今食の意義方式なども、或いはもう一度この方面から、尋ねて行かれるのではないかと思うのは、このいわゆる大師講の日の粥には、塩を加えぬという慣例が処々に存し、これを説明しようとした伝説も幾つか生まれている。新嘗と神今食との慣例には共通点が多く、ただその食料の新穀であることが、特に前者を際立たせたのではないか。もしそうだとすれば斎田の地が隔絶して、初穂採取の行事がようやく朝儀の面から遠ざかったのは惜しいことであった。
民間新嘗の残留
粥が必ずしも貧者の食物でなかったことは、幾つもの証拠が挙げ得られる。正月は粥始めと称して、それを摂取する日が一つの節であった。三山の行人などはオヤワラと名づけて、今でもこれを精進屋の食事にしている。新築葺替えの日の屋移りの粥にも例はあるが、東北ではいわゆる大師講の粥に、銭とか団子とかのかわったものを入れて置いて、それに盛り当った者の来年の幸運を占わしめる土地が多い。閑かな村里の生活をする少年たちには、食物の変化は大きな刺戟であった。やがて祭だとか、是から忌に入るとかいうことを、心に銘記させるには是がたしかな方法の一つだった。