Classiques japonais avec furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Lisez 海上の道 (かいじょうのみち) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 182 344 caractères · 353 écrans
昔は島ごとに人が自然に発生し、もしくは製作せられたということも、たやすく承認したのだから問題はない。次には神の啓示をもって、我々の経験よりもさらに遥かに有力なるものと信じて、これに基づいて遠い以前の記録なき社会を解釈し、始祖は空を踏み海波を飛び越えて、あるいは高山の嶺に降り来ったとしても、それには時代としての十分な理由があるのだから、些しでも不審な点はない。ところが一方に現代のいわゆる常識に依って、そんな事が有るものかと否認しつつ、そんならどうして人が住み始めたのかを、合点が行くように説明してみようとしなかったのは、何だかお互いの怠慢であったようで気が咎める。
その罪滅ぼしの意味もあって、きょうは一つの推定説を出してみる。次のより確かなる一説の出現を待つばかりである。同じく漂流漂着という中でも、結果のあったものと空しいものとがあって、勿論上古には第二の方が、悲しいほども多かったにちがいない。活きて自分たちは爰にいると、故郷に知らせることができなかった人々も、程なく死に絶えたことであろう。海の冒険には妻娘を伴なって行かぬのが常だからである。そうなると結局は一旦家に還ってきて、いろいろ支度を整え居住の企画を立てて、再び渡って行くことになるので、是は或る程度の地理知識を具え、明らかな目標を見定めての航海だから