Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans
云い云い膝をよせて行った。
「云ってみますればお預けをくった、チンコロというのが今の妾、おいしいたべものが眼の前にある、でもどうにも手が出せない。……いっそおいしい食物がねえ、眼の前にさえなかったなら。……いいえ、眼の前になかろうものなら、なおのこと妾は寂しくて、いたたまれないでござりましょうよ。……はいご返杯」
と杯を出した。
「いただきましょう」
と民弥は云い、男としては優しすぎるような手を、つと延ばして杯を受けた。
と、杯の底の下から、梶子の指が民弥の指を抑えた。
「ホ、ホ、ホ」
「ハッハッハッ」
「これお解り?」
「さあ、それは……」
「おわかりにならない?」
「さあ何んとも……」
「一本の指で抑えましたは……」
「一本の指で抑えられました」
「いこうかという意味ですの」
「一本だからいこうかとな」
「で、あなたさまにおぼしめしがあったら」
「…………」
「三本の指で妾の指を……」
「ははあ拙者の三本の指で……」
「妾の指をグッと握る」
「あなたの指をグッと握る」
「と、さんせいということになり……」
「ははあなるほど、三本だからさんせい」
「今夜ビロードの夜具の襟へ、二つ枕を並べまして……」