Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans

Aozora Bunko

裏門はまだ破られてはいなかった。

梶子はいつの間にかその姿を、農婦のようにやつしていた。

で、誰もが気がつかなかった。

(よし)

とばかりに頷いて、梶子は母屋へはいって行った。

城方の勢の一部をして、裏門の方へ廻らせたのも、実は梶子の指金からであった。

彼女としては恋人民弥に、一刻も早く逢いたかった。

ところが民弥はその梶子のいる、犬帰村方の勢に向かい、その手の指揮をしていたのであったが、そんなこととは知らない梶子は、本陣となっている嘉門の屋敷――そこへ行ったら民弥がいようと、そう思って迂廻して来たのであった。

梶子は母屋へはいって行った。

屋内も女や子供などで、混乱の極をつくしていて、誰もが右往左往していて、梶子に気附こうとはしなかった。

そうして屋内には若い男――戦いの出来る壮丁など、ほとんど一人もいなかった。

いてもそれは負傷者であった。

(しまった)

と梶子は第六感で思った。

(あの颯爽とした民弥さんが、こんなところに残っている筈はない。……戦場へ行っているに相違ない)

こう思うと失望した。

が、すぐに別のことを思った。

(城方の武士や紀州藩士の方に、萩丸様を奪ってみせると、そうわたしは約束したんだよ。