Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans

Aozora Bunko

やがて夕陽が樅や櫟の、喬木類の梢を染め、ところどころにある古沼の面を、銅色に色づける時刻となった。

その時彼女はまた行手に、大勢の人の話し声を聞いた。

あまり人数が大勢らしいので、菊女には審かしく思われた。

で、かえって大胆になり、そっちへ忍んで行って見た。

百人にもあまる武士たちが、焚火を焚いたり割籠をたべたり、武器の手入れなどをやりながら、

「明暦義党……」

とか、

「萩丸様……」

とか、

「今夜夜討ちして……」

とか、

「今度こそ遁がさぬ……」

とか、そんな言葉を云い合っているのが、断片的に聞こえて来た。

よく見ればその中に紀州の藩士の、霜降小平や加藤源兵衛の姿が、夕陽に照されているのが見えた。

「まあ!」

と菊女は思わず云い、飛び上がるほどに驚いた。

(どうして、何んのために、紀州藩士たちが、こんな島などへ来たのだろう?)

なお菊女は耳を澄ました。

藩士たちは大声で話していた。

「彼奴ら上村の奥の林の中に、小屋がけしているということじゃ」

「開墾して永住する考えだとか」

「地獄へやられるのも知らないでな」

「アッハッハッ可哀そうな奴だ」

「鵜の丸兵庫も佐原嘉門も、今度こそ洩らさず討って取らねばならぬよ」