Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans

Aozora Bunko

嬉しさに泣かれるばかりであった。

「菊女殿!」

と同じ思いの、鵜の丸兵庫も涙を眼にかけ、ひしと菊女を抱きしめた。

「もう大丈夫! もう大丈夫!」

三十郎に至っては、すっかり狼狽し恐怖した。

兵庫や右内に出でられて、民弥に助太刀されたひには、それに打ち勝つ希望はない。

洞窟内で逢った時には、暗所ではあり枝路がありして、それを利用し巧みに逃がれたが、こういう広場ではそれは出来ない。

(ここで俺はいよいよ討たれるのか!)

絶体絶命の思いがした。

が、姦智には人一倍たけた、その方では頭のいい彼であった、忽ち素晴らしい妙案が浮かんだ。

懐中へ片腕を差し込むと、守り袋を引きずり出し、その中から紙片を取りいだし、それを頭上に高くかざし、

「方々見られよこの紙片を! これこそ方々が手に入れようとして、苦心して探しておられるところの、萩丸様自筆の宥免状じゃ! 拙者人形の隠し所より、発見いたして肌身につけ置いた! ……このことは既に菊女殿へは、拙者申して置いた筈! ……これがそれじゃ、宥免状じゃ! ……さて松浦民弥氏、いかにも拙者は貴殿にとっては、父親の敵に相違ござらぬ! ……で、拙者を討ちたかろう! ……――が、拙者は討たれるのは厭じゃ! ……まだまだ拙者年も若く、それにまだまだいろいろのことを、やってみたくて仕方ござらぬ。