Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans
「他でもありませぬあの仁で、松浦民弥というあの仁で」
「バ、馬鹿な、何をいうんだよ!」
「それそれ、それがいけませぬ」
三十郎は意地悪い眼付きで、真正面から梶子を見詰めた。
「一度あの男の話になると、あなた様には血相変えて、弁解したり庇護なさる! ……これが臭い! ……臭うござる!」
――で、じっと見詰めつづけた。
梶子は何がなしにヒヤリとし、
(油断はならない)
と瞬間思った。
二人はしばらく沈黙した。
床の間に置いてある香炉から、相当高価らしい香の匂いが、煙りと共にただよって来た。
飼い猫が庭から縁へ上がり、梶子の膝へノッソリと上がり、そこで香箱を作ってしまった。
「そこで」
と三十郎はどうしたものか、白い前歯を覗かせて、幽かに苦く凄く笑った。
「そこで拙者思いましたよ。……拙者がもしもあなた様を恋し、その恋心いよいよ募り、どうにもならなくなりました際には、邪魔な恋敵のあの仁を、まず真っ二つに叩き斬ると!」
「三十郎さん!」
ととうとう梶子は、がまん出来ないというように、癇癪らしい声を立てた。
「馬鹿も休み休み云うがいいよ! ……いったい何んだいお前さんは! ……いえさいったいお前さんは、あたしの何んにあたるんだい! ……たかが附け人、用心棒だよ!」