Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Lisez 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 253 535 caractères · 506 écrans

Aozora Bunko

誰かがそれを取りに戻って来なければならないのであった。人の嗅いも感じられない荒野の中に、手軽く求められないことも解りきっていた。木の芽草の実のある季節でもないのだ。

「おたずね申すが――」と、ふいに大野順平が云った、「トウベツとやらは、まことに人跡未踏でござろうか」

「だんだん検べたところによれば、そう考えたが間違いないと思うが――何か?」

「この裏にどうやら踏みわけ路のようなものが見受けられたが」

「それは?――」と、眉のあいだに立皺をよせて、阿賀妻は猫背の案内人を見やった。

彼はふくみ笑いを浮べて云った。

「鹿の路ででもございましょうよ」

「鹿が通るか?」と大野が向きなおった。

「それは奴めの勝手ですがな、通るには通りますな」

「ふん――」と彼は唇を舐めて暗い闇をふりかえった。

食われるように出て来るわけでもなかった。

雨は絶えまなしに降っていた。焚火のなかでは、トド松の節がぱちぱちとはじけていた。

玉目三郎は、これ以上その沈黙に堪えられなかった。むろん戸田老人の出るべき場合ではなかった。ひしひしと、一番年若な自分が、それを云わなければならぬ場合と思ったのである。