Classiques japonais avec furigana
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Lisez 石狩川 (いしかりがわ) de 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 253 535 caractères · 506 écrans
彼らの身体の血がお互いに通い合うかと思われた。
「ご安堵下されたくソロ――」と相田清祐は読み終った。
「ご祐筆――」と、また誰かが呼びかけるのだ、「どういう予定でございましたか――ちょッと」
「左様――それは」と彼はまた読みかえした、「二月二十一日荻ノ浜出帆、さすれば、遅くもその月みそかか、明けても朔日を遠くは過ぎるまじく、再会の日を思えば欣快これに過ぐるものござ無くソロ、――」
何度でも彼らは聞き入っていた。
「では、そろそろ」と、松岡は帯のあたりをぱたぱた叩いた。側に立っていた大野順平がしずかな声で云った。
「ついでに、役所にてたしかめて下さらぬか――カラフト航路の日取り、うわさによれば、あの堀何とかいうご仁、近く出発と承っていましたので」
そう云われた松岡はぎくんとしたように大野を見つめ、泣き顔になってうなずいた。安倍誠之助のことを云っているのだ。
彼は門田、原坂ら足の早い壮者と連れ立って出発した。イシカリの湾に出る路は、雪の上ならば川筋をたどることであった。凍氷にぎっしり隙間なく埋もれながら、その広い川幅は中央は幾分低くたるんでいた。馴れたものには見誤ることもなかった。