Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Lisez 聞書抄 (ききがきしょう) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 108 821 caractères · 210 écrans
一条の辻に札を立てゝ、
諒闇の世を憚らぬ狩なれば
これや殺生関白と云ふ
と、落書を書いた者がござりまして、それから人が『殺生関白、殺生関白』と申すようになりました。けれども御乱行が激しくおなりなされましたのは、お拾さまの御誕生やら伏見城の御普請やらがあってからのことでござります。それも愚僧は、一々その場にいあわせた訳ではござりませぬから、何処までほんとうか分りませぬけれども、当時人から聞きましたことを一つ二つ申しますなら、或るとき御飯を召し上っていらっしゃいますと、砂が交っておりましたので、料理人を呼び出だされ、こら、主人に砂を食わせるからは、そちにも食わせて遣わすぞと仰っしゃって、その男の口の中へ、庭前の白砂を一杯押し入れさせ、一粒も残さず噛み砕けとの御意でござりました。料理人も命が惜しゅうござりますから、仰せのまゝに砂を噛み砕きましたところ、歯の根が破れて口中より血が流れ、あまりの苦しさにうつふしに伏しましたら、物をも云わず右の腕を打ち落され、そちはこれでも死にたくないか、助かりたいなら助けてやるぞと仰っしゃいますので、どうぞお助け下さいましと申しますのを、又左の腕を打ち落されて、これではどうだ、と仰っしゃるのでござりました。