Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lisez 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 416 caractères · 53 écrans

Aozora Bunko

二

佐八はおとなしく承知をする。また、発熱や咳のひどいときには、仕事を休んで寝るようだが、少しでもぐあいがいいとすぐに起きあがって仕事をする。それをみつかって咎められると、大きな顔でてれたように笑い、頭を掻きながら続けざまにおじぎをして、いかにも済まなそうに云うのであった。

――もうこれで片づきます、これが片づいたらすぐに寝ます、本当に寝ますから。

佐八は若いころいちど結婚したが、僅か半年ばかりで別れてしまい、それ以来ずっと独りぐらしだという。腕も相当だしよく稼ぐけれども、例のないほど無欲で、稼いだものはみな人のために遣ってしまい、自分はいまだに家財道具も満足に揃っていない、と差配の治兵衛から聞いたことがあった。

その佐八が或るとき、不審そうに登のようすを眺めながら、貴方はどうして養生所の上衣を着ないのか、と問いかけた。あれは官制ではないからだ、と登は答えた。去定が独断できめたもので、べつに規定されたものではない。だから着ようと着まいと勝手なのだと云った。

二

佐八は登から眼をそむけながら、独り言のように呟いた。

――あの上衣は人助けですがね。

彼はそう云った。