Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 062 caractères · 276 écrans

Aozora Bunko

折々は、キャッキャッと言う騒ぎ、物好きに入った女達が、あまり道具立が凄いのに怯えて、引返しもならず、悲鳴をあげるのでしょう。

攻め道具沢山な道をしばらく辿ると、パッと明るくなって、噂に聞いた水死人の人形があります。葦の繁った大川尻の風物をなぞらえて、そこへ水ぶくれになった女の土左衛門が横たわり、時々烏が飛んで来ては、臓腑をついばむという趣向です。ガラッ八に種を聞いて、わかり切ったつもりの平次ですが、さすがにこの道具立の巧いにはギョッとしました。

次の部屋は一面の蘭塔婆、舞台をぐっと薄暗くして、柳の自然木の下、白張の提灯の前に、メラメラと焼酎火が燃えると、塔婆の蔭から、髪ふり乱して、型のごとき鼠色の単衣を着た若い女が、両手を胸に重ねてス――ッとせり出します。

たったこれだけの事で、まことに平凡な趣向ですが、幽霊になる女の恰好が良いためか、その白粉に薄墨を交ぜて塗った、顔のつくりがうまいためか、身の毛もよだつような物凄さ。

やがて女は、徐かに前に進んで、釣瓶にすがって、斜めに井戸を覗きます。怨めしやとも何とも言いませんが、凄さが身に溢れて、立ち止った見物は一様に水をかけられたような心持になるのでした。