Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 062 caractères · 276 écrans
その位置と、傷口をほんの一と通り調べた平次は、元の仏間に取って返すと、不安と焦躁に、遠巻の顔を一とわたり見廻してから、
「草間さん、ちょいとお顔を」
一番後ろの方に、落着き払って差控えた、草間六弥に声をかけた。
「私も話したいことがある、どうぞこちらへ」
草間六弥は起って奥の一と間へ導き入れます。四十五六の少し肥った男で、髪形も着物の好みも、すっかり町人風ですが、物を言わせるとまだどこかに、武士らしい角々が残っております。
二人は行灯を挟んで、立会前の剣士と剣士のように、――でもさり気なく相対しました。
「承りましょうか、草間さん」
平次は初太刀を入れます。
「何から話したものであろう」
「第一に、あの棺の中の仏様の素姓は?」
「土手の煮売屋の親爺、綱屋の綱七――この家の主人によく似ていると言われ、平常から孫右衛門殿が贔屓にしてやっていたが」
「綱七なら五十以上のはずだが――なるほど、小鬢を墨で染めたのはそれを隠すためですね」
「その通り、さすがは平次親分、目が届くね」
「褒めちゃいけません」
「でも、私が何もかも知っていると睨んだのはエライ」
「この作者は、草間さんに決っていますよ、皆んなお祭騒ぎをしたり、形見分けに睨み合っている中で、殊勝らしく湿っていたのは、お前さんばかりだったと言うじゃありませんか、――それに、棺の