Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 062 caractères · 276 écrans
評判のよくねえ人間だが、伊勢屋新六が殺されちゃ、お上が放っちゃおくまい。お奉行所から何とかおっしゃる前に、下手人の目星だけは付けなきゃ――」
「今晩中にやる気ですかえ、親分」
「河童の元結や犢鼻褌の乾かないうちに縛りたいところだ」
「ヘエ――」
平次はガラッ八に後を任せ、お品と利助の子分二三人を伴れて、現場の材木置場へ行きました。良い月です。そのうえ御用の提灯が二つ、平次の馴れた眼は、大抵のことを見逃しません。
「伊勢屋新六の増長は目に余りましたよ。町人の奢り僭上は、いずれおとがめものですが、伊勢新は悪く悧巧で、なかなか尻尾を出しません」
「フム」
利助の子分の若松というのが説明してくれるのを、材木置場に立って、平次は神妙に聞きました。
「一と頃は恐ろしい女道楽で、吉原から四宿、岡場所まで、掃いて廻り、何十人、何百人の若い妓を泣かせたか解りません。金があるに任せて大通気取りで荒し廻るのですから、内緒の人気は大したものでも、妓どもからはこの上もない嫌われ者で、中には捨てられて入水した者、気の違ったもの、行方知れずになったものもあるということです。三十七の男盛りで、何の因果か、伊勢新は全く好い男振りでしたよ」