Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 142 597 caractères · 289 écrans

Aozora Bunko

「ヘエヘエ、どうぞお召連れ下さいまし」

長谷倉甚六郎の心持を測り兼ねながらも、亭主は相槌を打ちました。後ろからは手代の千代松が何やら目顔で合図をしております。

「お聞きの通り、その娘は拙者が親元になって、近々嫁入りさすはずになっている。無法なことを召さると容赦はいたさんぞ」

「何? 何が無法」

大川原五左衛門はいきり立ちます。

「嫌がる娘を小脇に抱えて、無理に連れ出そうとするのは無法の沙汰ではないか」

長谷倉甚六郎の調子は、静かですけど屹としておりました。

「黙れッ、借金の抵当に取って行くのだ――その方は何者だッ、余計な口を出すと、ためにならんぞッ」

「拙者は長谷倉甚六郎、西国の浪人者だ。十年越しこの町内に住み、謡いや碁の手ほどきから、棒振り剣術、物の本の素読などを少しばかり教えている」

「貧乏浪人の長谷倉とは御手前か、――なら、口を出さぬがいい。これは六百五十両という大金の出入事だ、〈返済相成兼候節は如何なる物を御取上げ候共異存無之〉と首と釣替えの判を捺した証文が入っているのだ」

大川原五左衛門は威猛高です。

「その物が、この娘だと言うのか」

「いかにも」

「黙れッ、――物は物、人間は人間だ。