Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 142 597 caractères · 289 écrans

Aozora Bunko

平四郎はさすがに打ち萎れておりますが、仕事が繁多なので、そのまま役所の方へ出かけてしまいました。

新造のお君は二十七八の美い女で、男女二人の母親とも見えぬ若さです。

「銭形の親分さん、お願いです。勇太郎は生さぬ仲で、そうでなくてさえ、私は世間から白い眼で見られます。どんな事でもしますから、無事に救い出して下さい」

一生懸命に、平次の袖にも縋り兼ねない勢いです。

「なにぶんあの子さらいに逢って、無事に帰ったのは一人もありません。出来るだけの事はやってみますが――」

平次の自信のなさ。お君はおろおろしておりますが、銭形が見放すほどの事件をどこへも持って行きようはありません。

ともかく、奉公人に一応引合せられ、お霜とお春の案内で家の裏表を見廻りましたが、余程巧らんだ仕事と見えて、手掛り一つ残ってはいません。

「お前さんはその時どこに居なすったんだ」

平次は責任者のお霜に問いかけました。

「坊っちゃんのお寝みの仕度をしておりました。お春さんの声を聞いて、御新造様と一緒にびっくりして飛出したようなわけで――」

「その時、外の縁台には誰も居なかったんだね」

「誰か見ていたら間違いはなかったんでしょうが、折悪しく誰も居なかったそうです」