Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 142 597 caractères · 289 écrans
それに、千両箱などは、奉公人達も持ち慣れておりません」
傾いた家運を自嘲するように、常右衛門の唇には、淡い淋しい笑いが浮びました。
「この縁談を壊したいと思う者があるに相違ないが――」
と平次。
「それはもう、親の私から申しては変に聞えますが、町内だけでも、娘を欲しいという方は十人や二十人じゃございません」
お関の人気の凄まじさ。ガラッ八は頬を凹めて、うろうろ店口の方を見ております。その辺から、後光でも射すんではないかと思ったのでしょう。
「その中でも、一番がっかりするのは」
「手代の千代松でございます。――お関と一緒にして、暖簾を分けてやるはずでしたが、こうなると、因果を含めるより外に仕様もございません。分けてやる暖簾がこんなでは」
「それから」
「先刻の大川原五左衛門様も、ずいぶん腹を立てなすったようで、でも、六百五十両の金を返せば、これは文句がなかったでしょう」
「千代松は昨日どこにも出はしまいな」
「昨日も、一昨日も、萎れてはおりましたが、どこへも出かけません。――それに、あれは遠縁の子飼いで、そんな悪いことをする人間ではないと思います――が」
常右衛門の言葉が、満更見当違いでないことは、平次にもよく判ります。