Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 142 597 caractères · 289 écrans
「…………」
「――が、こうしているうちにも、平馬の子平太郎の御目見が済んでしまっては、六日の菖蒲だ」
その御目見の日が、二三日の後に迫っているのです。皆川半之丞が、平次と八五郎を斬ってしまっても、ここで鉄三郎を救おうとするのは無理のないことでした。
「よく解りました。――あっしはお上の御用を勤める身体で、大地の上ではそんなことに御助勢は出来ませんが、天道様の届かない、土地の底の穴の中なら、お上のお目こぼしもあるとしたものでしょう、――一番今晩一と晩だけ、土竜の真似をして、皆川様御夫婦の忠義にお手伝いしましょう」
平次は大変なことを言い出しました。
「本当か、それは?」
「八、手前は穴の外へ這い出して待っていろ。皆川様、サア、御案内して下さい」
「親分、そいつは」
驚いたのは八五郎です。下へおろされて、あわてて平次の裾を掴むのを、
「心配するなってことよ、――手前は眼をつぶってりゃいいんだ、俺は皆川様の御人柄に惚れたんだ。安心して待っているがいい」
「ヘエ――」
「平次殿、それは本当か」
半之丞も少しつままれた心持です。
「本当も嘘もありゃしません。それで悪きゃ十手も捕縄も返上しますよ、――馬鹿の利吉に殺されなすった、――奥さんが可哀想だった、――その代りあっしが手伝ってあげます」