Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 114 244 caractères · 231 écrans
お吉の喉を絞めたのは、絹のくけ紐じゃなくて、丈夫な真田紐に違いない。死骸の首には真田の編目がはっきり残っていた。お前も見たはずだ」
「親分がそう言うだろうと思って、あの三つの部屋を一刻あまり捜しましたよ」
「そいつは大手柄だった」
「これでも福松が下手人じゃないでしょうか。親分」
ガラッ八は少し果し眼でした。
「一応そう思うのも尤もだが、お吉は福松と一緒になる気だったし」
「前掛けは、親分」
「自分の前掛けで人を殺すほど福松は馬鹿じゃあるまい」
「でもカッとなったらどうでしょう」
「喧嘩をしてカッとなったら、一と部屋置いて隣に寝ているお国が気がつくよ」
「さア判らねエ」
ガラッ八は高々と腕を組んで、捻ってもあまり結構な智恵の出そうもない首を捻るのでした。
「やはり母親かな。――いや、そんなはずはない」
平次もそれにつれて深々と腕を拱きます。
五
それから三月経ちました。
福松は土地の御用聞に縛られて、石まで抱かされたという評判が立ちましたが、白状しなかったのか、証拠が揃わなかったのか、そのまま許されて帰り、越前屋のお吉殺しは、有耶無耶のうちに桜が咲く時候になってしまったのです。