Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 114 139 caractères · 233 écrans
「主人も困っておりました。身許は確かですが、あれじゃ、あんまり役に立たなさすぎます」
久助は苦笑いしております。浅葱の手拭を頬冠りに、少し猫背で、栗色の肌をした中年男は全く醜い昆虫のような感じかするのでした。
「八」
「ヘエ――」
「見当は付いたか」
番頭の久助を向うへ追いやると、平次はガラッ八に水を向けました。
「自慢じゃねエが――さっぱり分りませんよ」
「呆れた野郎だ。――俺にはだんだん分って来るような気がするが」
「それが分らないから不思議で」
ガラッ八は長い顎を撫でながら、臆面もなくこんな事を言うのです。
「それじゃ、彫物師の野沢琢堂のことを調べてくれ。どこに住んで、どんな暮しをしているか――本人が死んでいたら、子供たちのことを調べるんだ。いいか」
「ヘエ――」
「俺はまだまだここに調べることが残っている。頼むよ」
「ヘエ――」
現場から遠ざけられるのが、ガラッ八の自尊心をほんの少しばかり傷つけたことでしょう。しばらく渋っておりましたが、間もなくその姿を隠してしまいました。
平次はかなり大きい京屋の家の内外をこの上もなく、念入りに調べました。それから土地の下っ引を二三人呼び出して、お鈴の身許を調べに八方へ飛ばせ、日が暮れる頃になってようやく引揚げたのです。