Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 114 139 caractères · 233 écrans
日頃平次に鼻を明かされ通しの万七は、そのまま滑り出ると、笹野新三郎と対立関係になっている与力堀江又五郎のところへ飛んで行きました。
実はこうこうと尾鰭を付けて報告すると、同役笹野新三郎の若さと人気を苦々しがっている堀江又五郎は、
「そいつは面白い。四年間江戸中に火事を拵えた下手人を挙げると、大した手柄になるぞ。すぐ手をつけてみるがいい」
大乗気で煽動したのです。
「大丈夫でしょうか旦那。笹野の旦那と、銭形の親分には憎まれますが」
「構うことはない、後は俺が引受けるから、ずいぶん念入りにやるがいい。――江戸中の転び切支丹の名前と住所は、寺社のお係へ行って訊くといっぺんに判る」
「有難うございます。それじゃ――」
三輪の万七は野心に燃えて飛び出しました。
元和九年十二月九日、原主水等四十七名の切支丹を品川で火刑にしてから三十六年間、江戸にはかつてこのことがなかったのですが、明暦三年の振袖火事以来、江戸市民を恐怖のドン底に追い込んだ「火の呪い」が、ついに万治三年の二度目の切支丹大検挙となったのでした。南町奉行直々の指図で、与力堀江又五郎が采配をふるい、三輪の万七が子分と下っ引を総動員して、転び切支丹と、その一家一族を根こそぎ洗い出し、たった三日の間に、江戸御府内だけで七十八人の切支丹関係者を探し出したのは、大したこと