Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans
助なあこ(あにいというほどの意味)はお兼に恋をした。助なあこは大蝶丸の水夫であり、お兼は「大蝶」の罐詰工場へ貝を剥きにかよう雇い女で、亭主があった。
この土地で恋といえば、沖の百万坪にある海苔漉き小屋へいって寝ることであった。そんなてまをかける暇がなければ、裏の空地の枯れ芦の中でもいいし、夏なら根戸川の堤でも、妙見堂の境内でも、消防のポンプ小屋でも用は足りた。実際のところ、海苔漉き小屋まで寝にゆくのは、よほど二人がのぼせあがっているか、ゆきすぎた声を抑えることのできない女との場合、――土地の人たちのあいだで、そういう癖のある五人の女性の名が公然と話題になっていたが、――などで、かれらの意見によれば、「そんなにてま暇をかけるほど珍しいことでもあんめえじゃあ」というのが常識であった。
助なあこはそうではなかった。彼は中学生が女学生を恋するように、純粋に、初心に恋していた。大蝶丸で沖へ貝を積みにいっているあいだ、彼の胸はつねにお兼を想うことで痛み、その眼にはお兼の姿、――工場の古びた建物の前で、大勢の女や老婆たちと並んで、巧みに貝を剥いている姿が、絶えずあらわれたり消えたりするのであった。