Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans
三十年後
江東区の高橋から出ていた通船、葛西、東湾の両汽船とも、ずっと以前に運行をやめ、もっぱらバスの乗り継ぎに切り替えられた、と聞いていたから、タクシーに掛け合ってみると「ゆきましょう」と云うので、安心してでかけた。同伴者の一人は私の若い友人で、某社の編集部員であり、この夏ごろ探訪記事の取材に浦粕へいったことがある。社の車でいったのだそうで、タクシーの運転手がまごついても、彼が道順は知っているだろうと安心していた。
じつを云うと私は少なからずためらったのである。浦粕のノートを連載し始めてから一年、登場する人たちの中にはまだ健在な者も多いだろう。「おわりに」の章でも留さんと出会ってへどもどしたことを記したが、ことによると「青べか物語」を読んで、他人のことなのに自分のことを書かれたと誤解し、手ぐすね引いて待ち構えている、といったような人物もいるかもしれない。そんなごたごたはごめん蒙りたいし、また、浦粕という土地そのものが、私の記憶にあるなつかしいイメージをめちゃめちゃにしてしまうかもしれない、という心配もあった。しかし、ノートを纏めて発表したのを機会に、ぜひもういちど青べかの世界を見にゆきたい、という誘惑のほうが強く、ふと思い立った勢いに乗じてでかけたのであった。