Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans

Aozora Bunko

と看視人が云った、「そんならこんなとけへなにしに来ただ」

「ええびだよ」と男は答えた。

ええびとは「歩み」というほどの意味で、つまりここでは散歩と解釈してもいいだろう。男はそう答えながら、ぶらぶらと、老百姓が田を見廻ってでもいるかのように、暢気そうに歩きだした。

「ええびだって」と看視人はそっちへ近よりながら問い返した、「なんのええびだね」

「なんでもねえさ、ただええびに来ただけだよ」

「こんなとけへかね」

「こんなとけへさ」

「ちょっと」看視人は足を早めた、「おめえどこのしとだえ」

「おらがどこのもんかって」と男もまた足を早めた、「どうしてだね」

看視人はさらに足を早めた、「どうしてでもいい、どこのしとかって訊いてるだ」

「おらついそこのもんよ」

「ついそこたあどこだ」

「葛西のちっと先よ」

「ちょっと待て」看視人はもっと足を早めた、「葛西のちっと先とはどこだ」

「ちっと先とはちっと先のことよ」男も同じように足を早めた、「なんでそんなこと訊くだえ」

「訊く用があるから訊くだ、待て」と看視人は駆けだした、「待て、いしゃあどこのなんてえもんだ」

「おらか」と男が答えた、「おらなんちゅうもんでもねえだよ」