Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans

Aozora Bunko

過ぎることはなかった。――こうして新堀川の小さな雑貨屋は、見ているうちに産をなした。新たに家を建てたり、刈った芦の倉や、海苔簾を編む工場を作ったりし、「大叶屋」という看板を掲げて、ひとかど旦那と呼ばれるようになった。

「大叶屋、――」と云って、幸山船長は喉で笑った、「子供たちはおっかねーや、ってはやしたてたもんだ、おっかねーや」

娘は二十一歳で嫁にいった。

根戸川に沿った永島というところの、かなりな資産家だったそうで、その結婚が迫った或る日、娘は幸山船長としめし合せ、東の浜の松並木でひそかに逢った。娘は持って来た人形箱を渡し、躯は嫁にゆくが自分の心はこの人形にこめてある、どうかこれを私だと思って持っていてくれ。そう云って泣いた。――こういう話は文字に書くと、あまりにありふれていておかしくもないが、幸山船長からじかに聞いていた私は、その「ありふれ」ている単純さのため、却って深く感動したことを覚えている。――娘はなお、どうせ嫁にいくのだから、このからだをあなたの好きなようにしてくれと云って、やけのような態度で幾たびも迫った。船長もいっそのことそうしようかと思ったが、まだ女に触れたことがないため、どういう手順が必要なのかはっきりわからず、娘が積極的になればなるほどおじけづいて、ついになにごともなく別れてしまった