Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans

Aozora Bunko

「おっかあー」と銀公は叫んでいた、「おら死んじまうよう、痛えよう」

二人の私服に挾まれて、彼が渡り板を渡るとき、川の上へ水でもこぼすような音がぼしょぼしょと聞えた。それがなんの音だか、岸にいる者にはわからなかったが、岸へあがって来た銀公を見るなり、一人が度胆を抜かれたような声で「血だえっ」と叫んだ。なるほど、少年のシャツはどす黒く濡れているし、頭を押えている手の下から流れおちる血が、少年の顔半分を染めていた。

「こりゃあひでえ」と他の一人が云った、「ひでえことをするなあ、見せえま、あの血」

集まっていた人たちのあいだに、憤激の火が燃えあがった。それはそこにいる者ぜんぶの感情を一つに固め、一団の火となって「官権」に挑みかかった。

「銀、おめえなにをしただ」と船頭の一人が呼びかけた、「いってえなにをしてこんなひでえめにあっただ、えっ」

「おらなんにもしねえ」と銀公はかなきり声で叫んだ、「おらただ番をしてただけだ、おらなんにもしねえ、おら抵抗もしなかっただ」

「そうだ」と誰かが喚いた、「おんだらもここで見ていた、銀公は抵抗しなかった、ここにいるみんなが証人だぞ」