Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans

Aozora Bunko

私はしっかりして、口をつぐんだ。

栄子は話しだした。――その出来事は五年まえの十月だったという。相手の男は岸がんと呼ばれ、華やかな病気専門の売薬で名高い「峰岸屋なにがし」という店の外交員であった。岸がんの「岸」は本舗の峰岸の一字であり、がんちゃんというのが男の名であるが、がんとはどういう字を書くのか、また「がん太郎」であるか「がん造」であるのか、栄子はまったく知らなかった。――あとで私がその点を糺すと、栄子はうるさそうに云った。

「心中するんだからって、名前を知ってなくっちゃならないってもんじゃないでしょ、寄留届をするんじゃなしさ、つまんないとこへ水を差さないでよ」

岸がんとは半年ほどの馴染だったという。年は二十八だと云っているが、栄子の見たところでは三十二歳より下ではなかった。逞しく陽焼けのした、にがみばしったいい男であり、栄子の馴染ときまったときには、浦粕じゅうのごったくやの女たちみんなが、嫉妬のあまりやけくそみたようになったそうである。――岸がんは赤いオートバイでやって来た。店名を派手に白抜きで書いた車で、「ガスをひるときの音がすてきだった」