Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans

Aozora Bunko

留さんは篠咲の船着き場の近くに、漁師の物置を改造したものであるが、一戸建の家を借りていた。私はその家を知らない。篠咲は浦粕の上流にあり、歩いて一時間以上はかかるらしい。根戸川堤に面した小さな部落であるが、土堤に桜並木があり、そのためかなり人に知られているということであった。――留さんの家は、何人めかの女にせがまれて借りたのだというが、私が浦粕へいったころは、殆んど高品さんの炉端にいて、頭のあったかいところを披露しながら、炉端に集まる人たちに愛されたり笑われたりしていた。――留さんは女に脆かった。彼は給料を取ると高品夫人に預ける、高品夫人は必要経費を差引いて、残りを郵便貯金にし、その貯金帳を預かっている。ふだんの留さんはあまり金を使わない、酒席(というほどのものではないが)ではもっぱら人に酌をしたり、求められれば得意のばか踊りや、鉾田地方の唄をうたったりするので、飲み食いに金を出すことはなかった。

「だからお金は溜まるのよ」と高品夫人が私に云った、「お金は溜まるんだけれど、それが一〇〇くらいになると女ができて、それですっからかんになっちまうの、もうこんどこそ懲りたって云うでしょ、こんどこそ眼がさめたって、――それからタバコも人の吸いがらを拾うようにして溜めるんだけれど、ちょうど一〇〇くらいになるかなと思う