Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans
若い水夫は怒った、――まるっきりてめえの嬶をぬすまれてるようなこころもち、だったそうである。彼は雨戸の隙間へ耳を当てて、太神楽のもようをつぶさに聞いた。船が徳行から戻って来るまでは一時間かかるし、それまでは時間のつぶしようもなかったからだ。
その先客が新川堀の畳屋の職人であり、女とどんな深い関係であるか、という仔細のことがそのとき初めてわかったのである。若い水夫の報告によって、そのことはすぐ蒸気乗りなかまにひろまり、事実であることが確認され、にわかに留さんに同情が集まった。それまで誰よりも多く篠咲で下船した二十九号の平助などは、「世の中にはふてえ野郎がいるもんだ」と憤激したそうである。――もちろん、これらの情報は留さんの耳にも伝わったであろう。伝わらないという理屈は絶対に成立しないと思うが、当人はぜんぜん知らない顔をしていた。いちど高品家の炉端で、誰かがそのことを当人に向ってあてこすった。高品夫人はその男を睨みつけ「およしなさい」ときびしくたしなめたが、留さんは少しも気にするようすはなかった。
「人は好きなこと云うだよ」留さんはまっ黒な顔をくしゃくしゃにし、てれくさそうに笑いながら、まるでお世辞でも云われたように羞んだ、「――あいつも口の軽いのが悪い癖だから、ばかなことばかし云って人に誤解されるだ、なにしろ