Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans
とペンを持っただけで、蒸気にも乗らず、歩いて町から脱出した。いちどもうしろを見なかった。私にとって、浦粕町はもう過去のものであった。私の眼も心も、前方だけに向っていた。
「東京へ出たら」と私は力んだ気持で呟いた、「おれはやるぞ」
「東京へ出て」と私は不安を抑えきれずに呟いた、「はたしてやってゆけるだろうか、生きてゆく、ということだけでもいいのだが」
次には「なにをくそ」と呟いていた。気負い立ったり、自分の才能のなさや、小説を書いてゆくことの困難さを思って、息苦しいような感じにおそわれたりしながら、私は埃立った陰気な道を歩き続けた。
それから八年ほどのちに、私は浦粕町へいってみた。いま小西六にいる秋山青磁と、戦後に死んだ森谷文吉を同伴して。だが、懐旧の情に唆られて、などという風流な気持ではなく、秋山と森谷が写真をやっていたので、撮影案内をするのが目的であった。――私たちは高橋から東湾汽船に乗ったのであるが、乗ろうとしたとたんに「先生よう」と声をかけられ、見ると、そこに留さんがいるのでどきっとした。
私はそのとき殴られるかと思った。――というのは、それより半年ほどまえに、私は「留さんとその女」