Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans
「ふん」と倉なあこが云った、「二歳の鯊がこんなとこまでのぼって来るんだな」
彼の声には皮肉やからかいの調子はなかった。むしろ控えめな親しみの情さえ感じられたが、それは却って私を圧迫し、窮屈な気分にさせた。倉なあこは専門家である。釣りの穴場を知っている点では、浦粕じゅうでも指折りの船頭といわれ、どんな場合にも、黒鯛を釣りたいという客を鯊の寄り場へ案内する、などということはしなかった。そのために、吝嗇な客ほど彼をひいきにする、といわれていた。この、客と船頭との微妙な因果関係については、こういう例がある。――釣舟宿では客を送り出すとき、飯と佃煮と香の物を持ってゆかせる。通常の客は沖で釣った魚を料理させ、それと香の物くらいでめしを喰べるから、船頭は佃煮で自分の食事ができる。ところが吝嗇な客になると、釣った魚は持って帰り、佃煮と香の物でめしを詰め込んでしまう。しかたがない、船頭は塩のきいた海水をぶっかけて、ざくざく流し込むということになる。しかも吝嗇な客ほど釣果にも執着が強いから、腕のいい船頭をもっぱら覘う、という迷惑な関係が生れるのだそうであった。――そういう良心的な専門家の評を聞いて、圧迫を少しも感じない者があるだろうか。