Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans

Aozora Bunko

私はむやみに怒ったり、ふくれっ面をするようなことはない。仮に感情の激昂を抑えることができないような場合には、どなる代りに丁寧な言葉を使い、喚く代りにあいそ笑いをするようにつとめる。むろん青べかに対してもそういう態度でのぞんだ。私は彼女がどんなに侮蔑され迫害されたかを思い、自分だけは憐れみと愛情とで、彼女を劬らなければならないと思った。

或る日、私が根戸川の中流で、棹を振りまわし気ちがいのように櫂を使いながら、青べかの頑強な自意識とたたかっていて、ふと気がつくと、蒸気河岸に大勢の人が集まって、こっちを指さしながら、げらげら笑っているのに気づいた。学校のある時間だから、悪童どもはみえなかったが、十四五人の老若男女と、私を「蒸気河岸の先生」と知っているちびどもが、こっちを指さしたり、腹を押えたりしながら、有頂天になって笑っていた。

或る風の強い日に、――私は根戸川の中流で苦闘していた。干潮だったと思うが、青べかは私を乗せたまま、棹や櫂にはいっこう頓着せず、強い風と流れに身を託して、ぐんぐん下流へとくだっていた。このままでは海へ持ってゆかれてしまう、私はけんめいに櫂を使い、どうかして彼女を岸のほうへ向けようと、汗だくになって奮闘していた。