Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans
或る日の午ごろ、私が食堂のがたがたする椅子に掛け、一本のビールでカツ・ライスを喰べていると、老人が私の卓子へ来て差向いの椅子に掛けた。
いまでもそうであるが、外で食事をするときには、私はなにか読みながらでないとおちつけない癖がある。そのときも私は青巻という本を読んでいて、老人がそこへ腰掛けたものだから、いっそう熱心に読むふりをし、そうして本から少しも眼を放さないままで、トンカツを噛んだりビールを啜ったりしていた。
女が座敷のところへ来て、「芳さんなんにするだえ」と呼びかけた。
「うう」と老人が答えた、「おっかあがいねえからめし食うべえと思って来ただが、うう、なんにすべえか考げえてるだ」
「うちじゃあ考げえるほどごたいそうなものは出来ねえよ」
すると老人が私を見ながら、――そこへ腰掛けたときからずっと、老人が私をみつめ続けていることを私は知っていた、――で、老人は私の顔を見ながら、例のずばぬけた高ごえで喚きたてた。
「ビールをコップに一杯くんねえかね」
「ビールを一杯だって」と女が云った、「おらそんなこと聞いたこともねえ、酎のまちげえじゃねえのかえ」
東京へゆけばビールの一杯売りをやっている、と老人が云った。