Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Lisez 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 961 caractères · 317 écrans

Aozora Bunko

「ゆうべ浦粕座が焼けたのよ」ときん夫人は茶を淹れながら云った、「知らないでしょ」

浦粕座はこの町でただ一軒の芝居小屋であった。堀南の表通りからちょっとはいったところにあり、古いけれども鼠木戸などを備え、畳敷きの平土間に、片花道があって、いかにも芝居小屋という感じのする建物であった。

「柏権十郎座がかかってたでしょう、かかってたのよう」と夫人は云った、「入りがないんでみんな小屋へ泊ってたんですって、ところが楽屋が狭いから舞台へも寝たんでしょ、古い引幕かなんかにくるまって、躯を寄せあって、お互いの躯の温かみで寝るんだそうね、ちょっと乙なけしきじゃないの」

「乙なようですね」と私は答えた。

「その舞台へ寝た人たちが」と夫人は続けた、「夜なかに蝋燭をつけて用を足しにいって、それを枕元に立てたまま寝ちゃったらしいの、それが引幕に移ったからたまらないわ、ぼうっといっぺんに天床へ燃えあがっちゃうでしょう、襖とか障子ならどうにかできたでしょうけれど、幕だからいっぺんに天床まで燃えあがっちまうわ、どうしようもないわよ」

私が訊き返すと、夫人はかぶりを振った。

「いいえ逃げちゃったんですって」