Classiques japonais avec furigana
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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
Lisez 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 130 271 caractères · 263 écrans
どうぞ御勘弁を……。
(おつやは笑いながら鮓を一つ摘んで食う。重兵衛もまた食う。旅人は烟草を吸いながら眺めている。)
おつや おじさん。後生だからお湯を一杯……。
重兵衛 そうか、そうか。はは、忘れていた。(膳棚へ茶碗を取りにゆく。)
旅人 (思い出したように。)いや、わたしも忘れていた。お茶よりもここに好い飲み物がありますよ。(リュックサックより大罎の酒を取出す。)これはどうです。
おつや あら、お酒……。まあ、素敵だわ。あなたは色々の物を仕込んでお出でなすったのね。
旅人 どこで野宿をするかも知れないと思って、途中で買って来たんですよ。さあ、飲んで下さい。
おつや あたしがお酌をしますから、あなたもお飲みなさいよ。ちょいと、黒いおじさん。
重兵衛 一々黒いおじさんと云うなよ。
おつや だって、おじさんは炭を焼く人じゃあないの。
重兵衛 なるほど炭焼にゃあ相違ねえが、御叮嚀に黒と断るにゃあ及ばねえ。口の悪い奴だ。
おつや 黒がそんなに悪いかしら。天下を望む大伴の黒主と来りゃあ、黒だって役がいいわ。まあ、そんなことより、これ、これ……。(罎をみせる。)又こんなものを頂いたのよ。