Classiques japonais avec furigana
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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
Lisez 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 130 271 caractères · 263 écrans
七兵衛は声をあげて救いを呼んだ。この声を遠く聞き付けて、後の村から二三の人が駈けて来た。其跫音を聞くと、敵も流石に狼狽えたらしく、力の限りに七兵衛を突退け刎退けて、あなたの森へ逃げ込んで了った。
が、主人の行方も安否も判らぬ。救いに来った人々に仔細を話して、七兵衛も共々に其処らを尋ね廻ったが、何分にも暗黒と云い、四辺には森が多いので、更に何の手懸りも無かった。或は首尾好く町の方へ逃げ延びたかも知れぬと、彼は念の為に兎に角も駈戻ったのである。
以上の報告を聞いて、市郎も色を変えた。対手は※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)か、或は其れに似寄の曲者か知らぬが、何れにしても彼等に襲われた父の運命は、甚だ心許ないものと云わねばならぬ。
「七兵衛、早く駐在所へ行って来い。」
七兵衛が駐在所へ駈付ける間に、市郎は家中の者を呼集めて、右の始末を慌しく云い聞かせると、一同は眼を瞠って駭いた。何しろ一刻も早く捜査に出ろと身支度する処へ、塚田巡査も出張した。提灯や松明が点された。
「角川の大旦那が※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)に攫われた!」