Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans

Aozora Bunko

検事も怪訝そうに首を傾げて、呟いた。

「下剤(瀉痢塩が精製硫酸マグネシウムなればなり)、殺菌剤、睡眠薬だ。犯人は、この三つで何をしようとするんだろう?」

「いや、すぐに捨ててしまったはずだよ。ところが、嚥まされたのは吾々なんだ」と法水はここでもまた、彼が好んで悲劇的準備と呼ぶ奇言を弄ぼうとする。

「なに僕等が」と、熊城は魂消て叫んだ。

「そうさ、匿名批評には、毒殺的効果があると云うじゃないか」法水はグイと下唇を噛み締めたが、実に意表外な観察を述べた。「で、最初に硫酸マグネシウムだが、勿論内服すれば、下剤に違いない。しかし、それをモルヒネに混ぜて直腸注射をすると、爽快な朦朧睡眠を起すのだ。また、次の沃度フォルムには、嗜眠性の中毒を起す場合がある。それから、抱水クロラールになると、他の薬物ではとうてい睡れないような異常亢進の場合でも、またたく間に昏睡させることが出来るのだよ。だから、新しい犠牲者に必要どころの話じゃない。全然、犯人の嘲笑癖が生んだ産物にすぎないのだ。つまり、この三つのものには、僕等の困憊状態が諷刺されているのだよ」

眼に見えない幽鬼は、この室にも這い込んでいて、例により黄色い舌を出し横手を指して、嗤っているのだった。