Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans
何故なら、当夜八時二十分に、真斎が古代時計室の文字盤を廻して、鉄扉を鎖したからである。
十二、当夜零時半クリヴォフ夫人の室に闖入したと云われる人物は?
ここに易介の目撃談――宵に張出縁へ出現して、あのいかにも妖怪めいた不可視的人物が、夜半クリヴォフ夫人の室にも姿を現わしたのだった。夫人の言によれば、それはまさしく男性であって、しかもあらゆる特徴が、身長こそ異にすれ旗太郎を指摘している。しかりとすれば、伸子が覚醒の瞬間に認めた自署に、降矢木という姓を冠せている。それを、グッテンベルガー事件に先例のある潜在意識と解釈すれば、伸子を倒したとする風精の正体には、最も旗太郎の姿が濃厚である。そして、その推定が、伸子の露出的な失神姿体と撞着するところに、この事件最大の難点が潜んでいるのではあるまいか。
十三、動機に関する考察
すべてが、遺産を繞る事情に尽きている。第一の要点は、四人の異国人の帰化入籍によって、旗太郎の白紙的相続が不可能になった事である。次に、旗太郎以外ただ一人の血縁が、すなわち押鐘津多子を除外している点に注目すべきであろう。したがって、旗太郎対三人の外人の間には、すでに回復し難い程度の疎隔を生じているけれども、何よりこの一つの大きな矛盾だけは、どうすることも出来ない。