Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Lisez 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 296 741 caractères · 584 écrans
勿論、壁の開閉器函は蓋が明け放されていて、接触刃の柄がグタリと下を向いていた。検事は、その柄を握って電流を通じたが、足元に開いている排水孔を見やりながら、知見を述べた。
「つまり、洗手台の水を使って、階段から落下させたというのは、床の埃の上に附いた足跡を消すにあったのだよ。すると、どうしても根本の疑義と云うのは、この室の本開閉器を切ったのと、それから、扉に鍵を下して室外に出てから、クリヴォフを刺した――その一人二役にあるという訳になるがね。しかし、どうあっても僕には、レヴェズがそんな、小悪魔の役を勤めたとは信じられんよ。必ずその解答は、君が発見した紋章のない石――にあるに相違ないのだ」
「なるほど、明察には違いないが」といったんは率直に頷いたが法水は、続いて憂わしげに瞬いて、「しかし、この際の懸念と云うのは、かえって、レヴェズの心理劇の方にあるのだよ。と云ってまた、この室の鍵の行衛が、案外見えなかったレヴェズに関係があるのかもわからんし……」とパッパッと烈しく莨を燻らしていたが、熊城の方を向いて、「とにかく、犯人がいつまでも身につけている気遣いはないのだから、まず鍵の行衛を捜すことだ。