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Classici giapponesi con furigana

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こころ

こころ

夏目 漱石

Leggi こころ di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.915 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

私は要るに任せて、その中から色々なものを取り出した。私は東京を立つ時、心のうちで極めた、この夏中の日課を顧みた。私のやった事はこの日課の三が一にも足らなかった。私は今までもこういう不愉快を何度となく重ねて来た。しかしこの夏ほど思った通り仕事の運ばない例も少なかった。これが人の世の常だろうと思いながらも私は厭な気持に抑え付けられた。

私はこの不快の裏に坐りながら、一方に父の病気を考えた。父の死んだ後の事を想像した。そうしてそれと同時に、先生の事を一方に思い浮べた。私はこの不快な心持の両端に地位、教育、性格の全然異なった二人の面影を眺めた。

私が父の枕元を離れて、独り取り乱した書物の中に腕組みをしているところへ母が顔を出した。

「少し午眠でもおしよ。お前もさぞ草臥れるだろう」

母は私の気分を了解していなかった。私も母からそれを予期するほどの子供でもなかった。私は単簡に礼を述べた。母はまだ室の入口に立っていた。

「お父さんは?」と私が聞いた。

「今よく寝てお出だよ」と母が答えた。

母は突然はいって来て私の傍に坐った。

「先生からまだ何ともいって来ないかい」と聞いた。