Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こころ

こころ

夏目 漱石

Leggi こころ di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.915 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

こういってしまえば大変簡単に聞こえますが、そうした心の経過には、潮の満干と同じように、色々の高低があったのです。私はKの動かない様子を見て、それにさまざまの意味を付け加えました。奥さんとお嬢さんの言語動作を観察して、二人の心がはたしてそこに現われている通りなのだろうかと疑ってもみました。そうして人間の胸の中に装置された複雑な器械が、時計の針のように、明瞭に偽りなく、盤上の数字を指し得るものだろうかと考えました。要するに私は同じ事をこうも取り、ああも取りした揚句、漸くここに落ち付いたものと思って下さい。更にむずかしくいえば、落ち付くなどという言葉は、この際決して使われた義理でなかったのかも知れません。

その内学校がまた始まりました。私たちは時間の同じ日には連れ立って宅を出ます。都合がよければ帰る時にもやはりいっしょに帰りました。外部から見たKと私は、何にも前と違ったところがないように親しくなったのです。けれども腹の中では、各自に各自の事を勝手に考えていたに違いありません。ある日私は突然往来でKに肉薄しました。私が第一に聞いたのは、この間の自白が私だけに限られているか、または奥さんやお嬢さんにも通じているかの点にあったのです。