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Classici giapponesi con furigana

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こころ

こころ

夏目 漱石

Leggi こころ di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.915 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

「ここは隅っこだから番をするには好くありませんね」と私がいった。

「じゃ失礼ですがもっと真中へ出て来て頂戴。ご退屈だろうと思って、お茶を入れて持って来たんですが、茶の間で宜しければあちらで上げますから」

私は奥さんの後に尾いて書斎を出た。茶の間には綺麗な長火鉢に鉄瓶が鳴っていた。私はそこで茶と菓子のご馳走になった。奥さんは寝られないといけないといって、茶碗に手を触れなかった。

「先生はやっぱり時々こんな会へお出掛けになるんですか」

「いいえ滅多に出た事はありません。近頃は段々人の顔を見るのが嫌いになるようです」

こういった奥さんの様子に、別段困ったものだという風も見えなかったので、私はつい大胆になった。

「それじゃ奥さんだけが例外なんですか」

「いいえ私も嫌われている一人なんです」

「そりゃ嘘です」と私がいった。「奥さん自身嘘と知りながらそうおっしゃるんでしょう」

「なぜ」

「私にいわせると、奥さんが好きになったから世間が嫌いになるんですもの」

「あなたは学問をする方だけあって、なかなかお上手ね。空っぽな理屈を使いこなす事が。世の中が嫌いになったから、私までも嫌いになったんだともいわれるじゃありませんか。