Classici giapponesi con furigana
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こころ
こころ
Leggi こころ di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.915 caratteri · 322 schermate
十七
それと同なじ理屈で」
「両方ともいわれる事はいわれますが、この場合は私の方が正しいのです」
「議論はいやよ。よく男の方は議論だけなさるのね、面白そうに。空の盃でよくああ飽きずに献酬ができると思いますわ」
奥さんの言葉は少し手痛かった。しかしその言葉の耳障からいうと、決して猛烈なものではなかった。自分に頭脳のある事を相手に認めさせて、そこに一種の誇りを見出すほどに奥さんは現代的でなかった。奥さんはそれよりもっと底の方に沈んだ心を大事にしているらしく見えた。
十七
私はまだその後にいうべき事をもっていた。けれども奥さんから徒らに議論を仕掛ける男のように取られては困ると思って遠慮した。奥さんは飲み干した紅茶茶碗の底を覗いて黙っている私を外らさないように、「もう一杯上げましょうか」と聞いた。私はすぐ茶碗を奥さんの手に渡した。
「いくつ? 一つ? 二ッつ?」
妙なもので角砂糖をつまみ上げた奥さんは、私の顔を見て、茶碗の中へ入れる砂糖の数を聞いた。奥さんの態度は私に媚びるというほどではなかったけれども、先刻の強い言葉を力めて打ち消そうとする愛嬌に充ちていた。
私は黙って茶を飲んだ。