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Classici giapponesi con furigana

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こころ

こころ

夏目 漱石

Leggi こころ di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.915 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

町は寒い風の吹くに任せて、どこを見てもこれというほどの正月めいた景気はなかった。

私は早速先生のうちへ金を返しに行った。例の椎茸もついでに持って行った。ただ出すのは少し変だから、母がこれを差し上げてくれといいましたとわざわざ断って奥さんの前へ置いた。椎茸は新しい菓子折に入れてあった。鄭寧に礼を述べた奥さんは、次の間へ立つ時、その折を持って見て、軽いのに驚かされたのか、「こりゃ何の御菓子」と聞いた。奥さんは懇意になると、こんなところに極めて淡泊な小供らしい心を見せた。

二人とも父の病気について、色々掛念の問いを繰り返してくれた中に、先生はこんな事をいった。

「なるほど容体を聞くと、今が今どうという事もないようですが、病気が病気だからよほど気をつけないといけません」

先生は腎臓の病について私の知らない事を多く知っていた。

「自分で病気に罹っていながら、気が付かないで平気でいるのがあの病の特色です。私の知ったある士官は、とうとうそれでやられたが、全く嘘のような死に方をしたんですよ。何しろ傍に寝ていた細君が看病をする暇もなんにもないくらいなんですからね。夜中にちょっと苦しいといって、細君を起したぎり、翌る朝はもう死んでいたんです。