Classici giapponesi con furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Leggi 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.479 caratteri · 394 schermate
戦闘準備
「ようは帰らぬ、悪い時に帰った。アッハッハッ、気の毒だったなあ」
「へい」というとヒョコリとお辞儀。「お早いお着きでございます」
「何を馬鹿な、旅籠ではなし。自分の家へ帰って来たのだ」
「ご帰館!」と文三いい直した。
「ご洗足のお水、取りましょうで」
「何さ、裏に清水がある」
「へい」とトチッてまたお辞儀。
「それでは私は里じゅうへ……」
「うん、ふれを廻してくれ」
「ヘ――イ」というと汗をふき、野郎、木戸から飛び出してしまった。
「お父様!」と娘の声! うれしそうに走り寄った。
「娘や、やっと帰ったよ」老傀儡師は機嫌を直し、これもうれしそうに笑ったものである。
戦闘準備
老傀儡師事杉窪の銅兵衛、里へ帰ったその日から、里の様子が一変した。兵糧の積み込み、武器の手入れ、まぐさの刈り入れ、四辺の防備、そうして毎日の秘密会議。男も女も子供までが、殺気を帯びて緊張してきた。いったい何事が起こったのだろう? いや何事が起こるのだろう?
「人数が不足だ、武辺者がほしい。五、六人ほしい、一人でもよい」口の中でこんなことをつぶやきながら、武事を監督した。
「どうなすったの、お父様?」娘の君尾が不思議そうにきいても、銅兵衛は手を振って答えなかった。