Classici giapponesi con furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Leggi 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.479 caratteri · 394 schermate
敵の片腕
二十日の月に照らされて、一匹の白布がノビノビと、地上から空へ引き上げられたようだ。ジャラーンという鉄杖の音! 修験者島原城之介である。
ブツブツ口小言をいっている。
「ヤキが廻ったね、このおれも。玉は取られる鳥には逃げられる。憐れをとどめたというものさ……たしかにこっちへ来た筈だが、どんなことがあってもとッつかまえなけりゃならねえ。……それはそうとどうしたんだ! 空が真ッ赤に焼けていらあ。ははあさては山火事だな」
そのおりからである。山上からカパカパカパとひづめの音、この坂道を乗りおろして来る。
「火事の知らせかな。それにしても、杣や炭焼きではなさそうだ。馬術に達した奴らしい」
つぶやいて窺う眼の先へ、木立むら葉をヌッとわけ、乗っ立てて来た一騎の武者、
「どけ、あぶねえ!」としわがれ声!
「や、手前は!」城之介、ピューと鉄杖を横へ振った。
敵の片腕
島原城之介力をこめ、ピューッと鉄杖を横へ振ったが、払い落とすことはできなかった。
馬上の人物手綱をしぼり、まずもって馬の両脚を、ピンと棹立てたものである。流れた鉄杖、手もとへ引きつけ、ふたたびないだ一髪の間に、ヤッとかかった「責馬」