Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Leggi 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.479 caratteri · 394 schermate

Aozora Bunko

無礼講

調べ革の音が聞こえてきました。仲よく歌っている歌声もね。……これでおしまいよ、妾の夢は」

ホッ、ホッ、ホッと明るく笑った。邪心のない晴れやかな笑いである。

「風変わりの夢でございますな」こういったのは新十郎。「ええとそこで君尾様には、その大好きなお方のことを、フッツリ断念なさいましたので?」

「そうよ、夢が本当ならね。……あら!」というと足を止めた。「あんなところに篝火が!」

いかさま遙かの行く手にあたり、大篝火が燃えている。それに照らされて桃色の、二張の陣幕が見えている。その方角から川音がする。そいつをぬってカチカチと、武器や物の具の音がする。それを越して絶壁がある。その絶壁につきあたり、はね返ってくる人声がする。

正雪と時行の陣営が、そこに張られてあったのである。

無礼講

ここは正雪の陣営である。

陣幕の中は陽気である。今にもいくさが始まるかもしれない……といったような気配さえない。いわゆる無礼講の酒もりが、さッきから始まっているのである。四隅で篝火が燃えている。火気に煽られて陣幕の裾が、ハタハタハタハタと鳴っている。染め出してある菊水の定紋、そのつどユラユラと波を立てる。