Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Leggi 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.479 caratteri · 394 schermate

Aozora Bunko

そうしてそういう光景は、かえって描写しない方が、情趣を深めるに相違ない。とまれ二人は歩いて行く。下板橋からわらびの方へ、浦和から大宮、上尾の方へ。道には野茨、香水のようなにおい!

さて二つ三つの蛇足を加え、この物語大団円としよう。二本の巻軸は紀州頼宣から、イマニエル司僧へくれたもので、巨宝存在の伽話をつくり、宗徒の結束をかためたのも、ほかならぬイマニエル司僧であった。しかし司僧はその後において、鮮血地にして余りに悲惨な、殉難宗徒のありさまを見、唯一なるものを疑うようになり、おりから負傷した天童もろとも、戦死といつわって唐櫃へ隠れ、原の城を脱出し、富士見高原へ行ってしまった。内情を知っていたのは将右衛門と銅兵衛。二人ながら頼宣の腹心であったが、入城以来心が変り、イマニエル司僧の信者となった。だがそれにしても木地師の将右衛門、なぜ二本の巻軸へ、隠語など認めたものだろう? 自殺者が自殺をする場合、何かこの世へ痕跡を残す! それと全く同じ意味で、あれだけの隠語を書いたまでである。その後に原の城をぬけ出したのが、杉窪の長の銅兵衛で、かれはその時思ったものである。