Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Leggi 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 349.705 caratteri · 678 schermate
「少々、驚いたね」
「でも、あのくらいで納まってよろしうございました、どうやら、仲間喧嘩でもしでかした様子でございました」
「いや、本来、あの連中のやることは、根があってするわけではないのだから、たあいがない」
「でございますが、たしかにおだてる奴があるものですから、御油断はなりませぬ」
と言って七兵衛は、右の手に持っていたその矢を、駒井の方へ差出して、
「只今、小使部屋と、お廊下との間へ、こんなものを射込んだものがございました」
「ははあ、矢文だな」
駒井は、七兵衛の手渡す矢を受取って見ると、そこに結び封が結えつけてある。それを外して、くりひろげながら読んでいる。その読む時間を遠慮して、七兵衛は差出ることをしないでいたが、駒井は、さほど長くもあらぬ矢文をスラスラと読んでしまっても、別段、変った色なく、さっと、机の上へ投げ出したのをきっかけに、七兵衛が、
「おだてる奴があるものでございますから、御油断はなりません、万一のために、明日はひとつ、お船の方から人を呼んで、この御番所のまわりに、厳重な柵をお作りになってはいかがかと存じます、わたくしもお手伝いをいたしますから」