Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Leggi 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 349.705 caratteri · 678 schermate
二十七
二十七
その翌日になると、果して鶴寿堂が、原本はもとより、紙も、墨も、筆も、硯まで整えてお雪ちゃんのところへ持って来ました。
その原本というのは「妙々車」と題した草双紙でしたけれども、お雪ちゃんには草双紙が光を放つかとばかり尊く見えました。
番頭が帰る早々、机を据えてその写しものにかかりました。
お雪ちゃんは、本来こういうことが好きなのです。好きなところへ生活の圧迫がさせるのですから、その熱心さ加減というものはありませんでした。全く集中した興味で、一気に一枚二枚を写し取って、その出来栄えを見直すと、自分ながらそう拙いものだとばかりは思われませんでした。
現に見本として、誰が書いたかわからないが、昨日借りて置いた素人うつしの一冊「花がたみ」というのから比べると、自慢ではないが、自分の方がずっと出来がよい、絵をうつすにしても、本文を頭に入れて置いてかかるから、作中の人々の気持が多少乗り移るように感じてなりません。
それに本文は、筆写にかかわる必要はないから、すらすらと自分流に、画面にも合うように筆を走らせるから進みも早く、その日のうちに、十余枚の一冊を苦もなく仕上げてしまいました。